東京近郊で、木組みと土壁の家づくりを実践しています。

2010年12月27日

冬の夜空

 冬至も過ぎる頃、夜の訪れの早さには驚くばかりで、一日の時間が短くなったように感じる。この時期、暗くなると目に付くのが、クリスマス用イルミネーションの点滅である。趣向を凝らした華やかさは嫌いではないが、畑の残る静かに住宅地には、家の外壁や垣根に施された大掛かりな電飾は似合わないように思う。

 個人の自由といってしまえばそれまでであるが、点滅する明かりはそれだけで静かな夜の環境に少なからず影響を与えている。防犯上ただでさえ明るすぎる住宅地において、家を点滅する電飾で飾りたいのであれば、もう少し暗めて品のある飾りを工夫してもらいたい。

 では、暗めで品のある明かりって何だろう。宇宙からは関東平野全体が光っているように見えるほど明るすぎる首都圏では、もうそんな暗さの残る場所はないのかも知れない。自分の経験の中でも、明かりの品格を探すのは簡単ではない。

 京都の宇治上神社の森を上る参道に置かれた外行灯、奈良の法隆寺金堂での夜のお勤めと釈迦三尊を見るために、回廊に並べられた行灯。蛍光灯による上からの明かりが全く無い闇の空間で、行灯のほのかな明かりほど、品や粋を感じさせる夜のしつらえはないように思える。ばかげた明るさを省いて、夜しか味わえない世界を取り戻す時が来ている。

野呂邸の満月.jpg

 夜しか味わえないもの。月の移ろい。星のまたたき。冬の夜は、空気が澄んでいて星を見るにはいい季節である。普段は忙しくて、星座観測などではないにしても、南の空に輝くオリオン座くらいはいつでも見つけられる。真ん中に並んだ三ツ星を囲むように、左上のベテルギウスと右下のリグル、左上と右下の四つ星がつくる形ははっきりしていて魅力的だ。

 オリオン座の三ツ星を左下に伸ばした先には、大犬座のシリウス。その上のプロキオンとべテルギウスとシリウスで形作る、冬の大三角形。街灯の明かりを避ければ、これくらいの星座はたやすく確認できる。

 建て主の家での会食の後、玄関先から夜空を見上げれば、丸窓に満月が寄り添っていた。

2010年12月27日 高橋昌巳
 

 
posted by 高橋昌巳 at 20:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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