東京近郊で、木組みと土壁の家づくりを実践しています。

2011年10月14日

赤福ベンガラかまど

公私にわたる諸事情により、年初よりブログの更新を長期間さぼってしまいました。気持ちを入れ替え、本日から土壁ブログを再開しますので、またお付き合いいただければ幸いです。

 昨年秋に義父が逝き、今年の1月から母の長期入院が続くなど、当たり前でいた存在がある日を境に続けてなくなるのは、決して心穏やかな状態ではいられません。あと2年もすれば60歳になるのだから、いつまでも親が元気でいると考える方がおかしいと頭でわかっていても、その場になってみないと実感はできないのが人間なのかも知れません。

 事務所の経営を考え青木君と鈴木君には独立を勧め、仕事の全てに自分自身で目を通すことを再び始める考えにいたり、2月から2年目の粟野君と二人で仕事をこなしています。分離発注建て主直営というスタイルを設計事務所が始めると、労働時間がめちゃくちゃ増えるのは25年もやっていれば当たり前。朝7時に事務所に入って掃除してから花を活け、夜は8時に止めます。

 名古屋・東京・三重などで呼ばれて話をする機会が続きました。9月から芝浦工業大学建築工学科の設計製図の授業も始まりました。プロを相手に実務の話をするときは緊張しますが、共感していただけた時は嬉しいものです。一方、大学の方は建築に対して新鮮な目つきで取り組む学生相手なので、相変わらず生協で本を買い続け、建築の魅力と実現方法をどうしたら伝えられるか悩みは尽きません。ただ、自分の息子と同年代に囲まれているだけで元気がでます。


赤福へっつい.jpg

 10月1日みえ木造塾に呼ばれて話をした翌日、荻原義雄さんと中西修一さん両名に案内され、伊勢内宮前おかげ横丁の赤福ベンガラかまどに始めてじっくり対面しました。大抵の左官仕上げは見て触れてきたつもりでしたが、薪をくべてお湯を沸かし続ける芸術品には感動しました。伊勢の文化の深さを表しています。数ケ所ある竈は毎年暮れに塗り替えるのだそうで、伊勢磨きの左官技術も赤福がある限り途絶えることなく受け継がれます。毎年更新などという贅沢な仕事があるおかげで、塗り壁文化が豊かになるのです。どんな仕事も奥が深いものですね。幸運にも、このベンガラ竈の伊勢磨きを続けている左官職に出会えた話は、また続きに書きます。

 2011年10月14日 高橋昌巳/シティ環境建築設計
  
posted by 高橋昌巳 at 19:52| Comment(6) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
 
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