東京近郊で、木組みと土壁の家づくりを実践しています。

2010年06月30日

土壁元年

土壁元年

 塗り壁と向き合い、土壁にどっぷりつかった仕事を続けて24年になる。各地の左官職に教えられ、現場を担当する左官とさまざまな下地・仕上げを試み、結果を雑誌に発表してきた。初めて原稿を書かせてもらった『左官教室』の小林澄夫氏、土佐漆喰を教えてくけた久保田騎志夫氏、いつも頼りにしている加藤信吾、信幸親子、神奈川の仕事を任せられる湯田雄二氏他、人との出会いに恵まれここまでこられた。もちろん理解の深い多くの住み手の結びつきによって支えられてきたのは言うまでもない。

 左官仕事は、その地その地の特色を活かしながら今日まで引き継がれてきた伝承技能である。材料が違い、塗り工程が違い、仕上げの方法が違う。だから奥が深く、現場ごとの勉強を左官も設計屋も同じく途切れなく続けていかねばならない。数年前、井上書院から『建築携帯ブック・左官』というハンドブックをまとめて出版する機会があった。ただ、埼玉県川島町の遠山記念館を訪れる度に、塗り壁についてはまだまだ自分がとばくちにいることを感じ、先人の仕事の深さには感嘆することも多い。

 縁あって、木の家ネットで土壁ブログを始めることになった。先日はスカイプ会議を通じて、各地の同士と土壁について語り合う経験をした。知らない間にずいぶんと土壁も認知されたものである。土壁ブログを始める今が自分の土壁元年なのかもしれない。設計で竹小舞土壁を始めるきっかけになった愛媛県北条市のk邸の小舞下地の写真を時々は眺めて、初心を忘れずに仕事を続けていきたい。

土壁ブログ写真15小.jpg

posted by 高橋昌巳 at 09:46| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
 
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